転職エージェントとの正しい付き合い方|採用側にいた人事が書く「裏側」と5箇条

エージェント活用術

結論から。転職エージェントを「求人を紹介してくれる人」と思って使うと損をします。彼らは営業パーソンであり、その構造を理解して付き合えば、書類・面接・年収交渉のすべてで強力な味方になります。

僕は5回の転職でエージェントを使う側を、事業会社の人事としてエージェントと組んで採用する側を、両方経験しました。人事の会議室でエージェントとどんな会話がされているかを知っている求職者はほとんどいません。この記事ではその「裏側」込みで、正しい付き合い方を書きます。

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

まず構造を理解する: エージェントは誰から報酬をもらうか

転職エージェントの報酬は、あなたが入社した企業から支払われる成功報酬(一般に理論年収の30〜35%)です。つまり顧客は企業で、あなたは商品でもあり売り手でもある、という三角関係です。

これは悪い話ではありません。あなたの年収が上がるほどエージェントの報酬も増えるので、年収交渉では利害が一致します。一方で「早く決めてほしい」というインセンティブも働くため、決断を急かされる場面では一歩引いて考える必要があります。構造を知っていれば、どのアドバイスを信じてどれを割り引くか判断できます。

人事の裏側: エージェントと採用側はこんな会話をしている

採用側にいたとき、エージェントとは月次で「今月の候補者の質」「選考スピード」「お見送り理由」をすり合わせていました。ここで知ったことが3つあります。

1つ目、エージェントの推薦コメントは選考に影響します。書類の通過率は、経歴書単体ではなく「エージェントがどう推すか」で変わる。担当者があなたを深く理解しているほど、推薦文は具体的になり通過率が上がります。初回面談で経歴を丁寧に話す価値はここにあります。

2つ目、お見送り理由はエージェントには率直に伝えられます。本人には「総合的な判断」としか言えない理由も、エージェントには具体的に共有される。落ちた後に「本当の理由」を聞き出せるのは、エージェント経由の大きなメリットです。

3つ目、企業は「またこの人から採りたい」エージェントを覚えます。実績のある担当者の推薦は書類の読まれ方から違う。担当者の力量差は、あなたの想像以上に結果を左右します。

正しい付き合い方 5箇条

①複数登録し、担当者で選ぶ。2〜3社に登録して初回面談を受け、「求人を送るだけの人」ではなく「キャリアの壁打ちができる人」を主軸にする。会社の看板より担当者の質です。

②嘘をつかない、隠さない。転職理由や他社の選考状況を隠すと、推薦文の精度が落ち、結果的に自分が損をします。僕は5回とも選考状況をすべて開示していました。

③「紹介された求人に全部応募」はしない。応募数を稼ぎたい担当者もいます。軸に合わない求人は理由を添えて断る。断り方が明確な求職者ほど、次に来る求人の精度が上がります。

④年収交渉はエージェントに任せる。採用側から見ても、本人が直接交渉するより角が立ちません。希望額と最低ラインを担当者に明確に伝えておけば、あとは彼らの仕事です。報酬構造上、彼らも上げたい側です。

⑤スカウト型と併用する。エージェント経由の求人は「彼らが持っている案件」に限られます。スカウトサービスに職務経歴を置いておくと、市場の別の面が見えます。僕の4回目の転職はスカウト起点でした(年収推移の記事参照)。

担当者を変えてもらう方法

合わない担当者に当たったとき、多くの人は我慢するか、そのエージェントを使うのをやめます。どちらも損です。担当変更は普通に依頼できます。

依頼の仕方

担当者本人に言う必要はありません。エージェント各社には問い合わせ窓口があり、そこから連絡すれば対応してもらえます。理由を細かく説明する義務もありません。

伝え方の例です。

「現在○○様にご担当いただいておりますが、希望する業界の知見が豊富な方にご相談したく、担当変更をご検討いただけますでしょうか」

人格や態度を理由にすると角が立つので、「専門領域が合わない」という形にするのが穏当です。実際、担当が業界に詳しくないことは本当によくあります。

変更を申し出ても不利にならない

エージェント側からすれば、候補者が離脱するほうが損失です。担当を変えて成約するなら、会社としては何も問題ありません。気まずくなるのは担当者個人だけで、あなたの選考には影響しません。

採用側にいたときも、途中で担当者が変わった候補者は珍しくありませんでした。企業側にその事情が伝わることはなく、評価に影響したこともありません。

返信が来なくなったときの考え方

登録直後は連絡が頻繁だったのに、途中から音沙汰がなくなる。これもよくある話です。

理由はたいてい単純で、あなたに紹介できる求人が今ないか、担当者が他の候補者で手一杯かのどちらかです。評価が低いから切られた、という話ではないことが多い。

対処としては、月に一度こちらから状況を送るのが有効です。「現在も転職を検討しており、○○のようなポジションがあればご連絡ください」と送っておくと、リストの上に戻ります。エージェントは動いている候補者を優先するので、沈黙していると自動的に後回しになります。

複数社を使うときの伝え方

「他社も使っていますか」と聞かれたら、正直に答えて構いません。隠す必要はなく、むしろ複数使うのが普通です。

ただし同じ企業に複数のエージェントから応募するのは避けてください。企業側で重複が発覚すると、どちらの紹介として扱うかで揉め、候補者の印象も悪くなります。応募前に「この企業には他社経由で応募済みです」と伝えるだけで防げます。

採用側では、重複応募は事務的に処理されますが、候補者の管理ができていない印象は残ります。ここは自分で管理する領域です。応募先の一覧を自分で持っておくのが確実です。

こんな担当者は変えていい

面談から数日で大量の求人を機械的に送ってくる、希望と違う求人ばかり推す、決断を急かす、お見送り理由を共有しない。この辺りが続くなら、担当変更を申し出るか、他社に軸足を移して問題ありません。担当変更はよくあることで、気まずく思う必要はないです。

次の一歩

求人数と選考データの蓄積という点では、業界最大手のリクルートエージェントがまず基準になります。担当者の当たり外れはありますが、母数が多いぶん比較の起点として使いやすいサービスです。

30代で年収600万円を超えているなら、ハイクラス帯に強いLHH転職エージェント(アデコ系)のような、コンサルタントが企業と求職者の両方を担当する「両面型」も併用する価値があります。求人とのミスマッチが起きにくい構造です。

担当者との相性は業界特化型かどうかでも変わります。IT・エンジニア領域ならテックゴーのように専門特化のエージェントのほうが、経歴の翻訳が要らないぶん話が早く進みます。

よくある質問

エージェントは何社くらい使うのがいいですか?

登録は2〜3社、主軸は1〜2社がおすすめです。多すぎると日程管理が破綻し、同じ求人に重複応募する事故も起きます。

エージェント経由と直接応募、どちらが受かりやすいですか?

一概には言えませんが、採用側の実感では、選考難易度は変わりません。ただし直接応募には推薦文もお見送り理由のフィードバックもありません。情報量ではエージェント経由が有利です。

面談で希望年収は正直に言うべきですか?

正直に言ってください。低めに言うと、その水準の求人しか来なくなります。希望額と最低ラインの2段階で伝えるのがコツです。

担当者の質はエージェント選びで決まる

ここまで書いた付き合い方は、そもそも担当者に業界知識があることが前提です。専門領域を扱うなら、IT・Web業界に特化したギークリーのように、最初から話が通じる相手を選ぶほうが早く進みます。

IT・WEB・ソーシャルゲーム業界への転職ならGEEKLY(無料転職相談)

まとめ: 構造を知れば、エージェントは最強の味方

エージェントは善意のボランティアではなく、構造の中で動くプロです。報酬構造を理解し、情報を開示し、担当者を見極める。この3つを押さえれば、書類の通過率からお見送り理由の入手、年収交渉まで、一人では得られない武器が手に入ります。職務経歴書の作り込みと合わせて(人事から見た職務経歴書の書き方)、選考の入口を固めてください。

あわせて読みたい

コメント

タイトルとURLをコピーしました