社内公募に落ちた理由は4つ|選ぶ側は何を見ているのか

転職ノウハウ

社内公募の結果通知は、たいてい一行です。理由の説明はなく、上司にも受入先にも聞けないまま、月曜からまた同じ席に座ることになります。

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

制度側で公募の運用に関わってきた立場から言うと、落選の理由が応募書類の出来にあることは、実はそれほど多くありません。候補者が手を出せない場所で結果が決まっていることのほうが多い。この記事では、選ぶ側が何を見て、どこで話が止まっているのかを整理します。

社内公募で落ちる4つの理由

まず、自分がどれに当たりそうかを切り分けてください。4つのうち2つは、書類や面接をどれだけ磨いても結果が変わりません。

理由 決まる場所 次に効く手
現部署が手放さない 送り出し側 時期を変えて再挑戦
受入先に本命がいた 受入先 別ポストを待つ
等級が合っていない 制度 等級を上げるか、外を見る
スキルの書き方が粗い 書類 書き直して再挑戦

1. 現部署が手放さない

多くの会社の公募制度には、現所属長の同意を要件にしないという建前があります。ただ運用の実態としては、異動時期の調整という形で送り出し側の事情が入ります。後任の目処が立たない、期末の締めを抜けられない、といった理由です。

これは候補者の能力評価とは無関係に効きます。半年から一年ずらして再応募すると通る、というのはこのパターンです。

2. 受入先にすでに本命がいた

公募として出す前に、受入先が声をかけている人がいることがあります。制度上は公募にかける必要があるため、枠として公開される。

見分け方はひとつあります。募集要件が異様に具体的な場合、特定の誰かを想定して書かれている可能性が高いです。求める経験が3つも4つも並び、しかもその組み合わせを満たす人が社内に数人しかいない、という書き方になります。

3. 等級が合っていない

ポストには等級が紐づいています。現在の等級と募集ポストの等級が2段階以上離れていると、その一回で埋めるのは制度上かなり難しい。公募は昇格の手段として設計されていないことが多いためです。

この場合、落選理由は「経験不足」と伝わりますが、実際には格付けの問題です。同じ会社の中でこの差を詰めるには、まず現部署で等級を上げる必要があります。

4. スキルの書き方が粗い

ここだけが、書類で挽回できる部分です。よくあるのは担当した制度名やシステム名を並べて終わっている書き方です。「人事システム導入を担当」とだけ書かれていても、要件定義から入ったのか、稼働後の運用設計をしたのかで、受入先が知りたいことは全く違います。

社内向けだから伝わるだろう、という前提が一番危険です。読むのは他部門の人で、あなたの仕事の中身は知りません。

落ちた後にとれる3つの選択肢

選択肢 向いている人 目安
時期を変えて再挑戦 理由1・2に当たりそう 半年〜1年
現部署で等級を上げる 理由3に当たりそう 1〜3年
社外を見る 理由3で、待てない 3〜6か月

3つ目を検討するなら、理由3で詰まった人は特に、確認すべきことがひとつあります。いまの等級の壁は、その会社の制度が作っているものだということです。等級の刻み方も、公募の位置づけも、会社ごとに全く違います。外資系や日系のグローバル企業は、等級と職務の対応が候補者にも開示されていることがあり、いまの経験がどの格付けに当たるのかを応募前に確認しやすい傾向があります。そうした比較をしたいなら、外資系転職ならエンワールド・ジャパン(無料の転職相談を申し込む)のように、その領域を専門に扱うエージェントのほうが、等級と提示レンジの話まで具体的にできます。

社外の選考には、社内公募には無い利点がひとつあります。落ちた理由がエージェント経由で返ってくることです。自分の経験がどう値付けされているかを、初めて外の物差しで確認できます。

再挑戦は有効な手です。ただし同じポストが次にいつ出るかは誰にも約束できません。公募の枠は組織改編と欠員に連動するので、二度と出ないこともあります。

落選の理由は、原則として開示されない

ここが社内公募の一番きついところです。落とした理由を候補者に伝える運用にしている会社は、ほとんどありません。

理由は単純で、伝えると角が立つからです。「現部署が手放さなかった」と言えば上司との関係が壊れ、「本命がいた」と言えば制度そのものへの不信になります。結果として、通知は結果だけになります。

つまり応募者側は、4つのどれで落ちたのかを確定できないまま動くことになります。上の表を「どれに当たりそうか」という見立てで使う形にしてあるのは、そのためです。

スキルベース人材管理が入ると、公募の位置づけが変わる

いま多くの大手企業が、社員のスキルをデータとして持つ方向に動いています。これが入ると、社内公募は「年に数回の告知」から「常時マッチングされる状態」へ変わります。受入先が要件を登録すると、条件に合う社員が先に候補として上がってくる形です。

応募者側から見ると、変化は2つあります。ひとつは、スキル情報を登録していない人は候補にすら上がらなくなること。もうひとつは、落選理由のうち「スキルの書き方が粗い」が、書類ではなくデータの精度の問題になることです。

この動き自体の全体像はスキルベース人材管理とは何かで整理しています。棚卸しの手順もそちらに載せました。

落ちたことは、社内に伝わるのか

気にする人が多い点なので、運用の実態を書いておきます。応募したこと自体は、人事と受入先の一部にしか残りません。ただし現所属長への通知を運用に組み込んでいる会社はあり、その場合は上司には伝わります。

制度の建前としては、応募を理由に不利益な扱いをすることは禁止されています。とはいえ、評価者との距離感が変わったと感じるケースはあります。気まずさを避けたいなら、落ちた後に自分から一度話しておくほうが、結果的に楽です。

そもそも応募したことが上司にいつ伝わるのかは、制度の型で決まっています。次に応募するかを決める前に、社内公募は上司にいつ伝わるのかで自社がどの型かを確認しておくと、動きやすくなります。

まとめ

社内公募の落選は、4つの理由のうち2つが候補者の手の届かない場所で決まっています。そして理由は開示されません。

やることは順番に3つです。自分がどの理由に当たりそうかを切り分ける。再挑戦が現実的かを、次に枠が出る見込みから判断する。等級の壁が理由なら、その壁が自社の制度に固有のものかどうかを外の物差しで確認する。転職エージェントとの付き合い方も、外を見ると決めた場合は先に読んでおくと動きが速くなります。

よくある質問

Q. 社内公募に落ちたら、次はいつ応募できますか

会社によりますが、同一年度内の再応募に制限を設けている例が多いです。制限の有無は公募要領に書かれています。制限がない場合でも、同じポストが再度出るかどうかは組織改編と欠員に左右されます。

Q. 落選理由を人事に聞いてもいいですか

聞くこと自体は問題ありませんが、具体的な理由が返ってくることはほとんどありません。回答する運用にしている会社が少ないためです。聞くなら「今回のポストで求められた経験のうち、自分に足りなかった領域はどこか」という形にすると、一般論の範囲で返ってくることがあります。

Q. 社内公募に落ちた人は退職するのでしょうか

全員ではありませんが、公募に応募した時点で現状を変えたいという意思があるため、落選後に社外へ動く人は一定数います。ただし落選直後の判断は理由の切り分けができていないことが多いので、まず4つのどれに当たるかを整理してから決めることをおすすめします。

Q. 上司に知られずに応募できますか

応募の受付段階では人事のみが把握する運用が一般的ですが、選考が進んだ段階や内定後に所属長へ通知する会社が多いです。完全に知られないまま完結することは、制度上ほぼありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました