結論から。SIerからコンサルへの転職は、20代のIT人材が年収と市場価値を一段引き上げる最短ルートです。僕はこの転職で年収が450万円から700万円(+55%)になりました。ただし、向き不向きははっきりあります。
この記事では、SIerで4年SAPの人事システム(SAP HCM)をやっていた僕が、外資系コンサルティングファームにSuccessFactors導入コンサルタントとして転職した実体験を書きます。何が評価されたのか、入ってから何がきつかったのか、誰におすすめで誰におすすめしないか、まで正直に。
転職前のスペック(2017年当時)
28歳、SIerに新卒入社して4年。SIerでSAP HCM(人事給与システム)のABAP開発からキャリアを始めて、オフショア開発のブリッジ、後半はジュニアコンサルとして要件定義にも入っていました。年収450万円。英語は得意ではありません。
「大したスペックじゃない」と思いましたか?実はこれ、コンサルファームから見ると欲しい人材です。理由を説明します。
なぜSIer出身者がコンサルに評価されるのか
当時(そして今も)、SAPの人事領域はクラウド移行の真っ最中です。オンプレのSAP HCMからクラウドのSuccessFactorsへの移行案件が大量にあり、「人事システムの業務と技術が両方分かる人」が慢性的に足りていません。
コンサルファームが中途に求めるのは、きれいな経歴ではなく「明日から案件に入れる専門性」です。SIerでの4年は、コンサルの値札で売り直せる資産でした。ここに気づいていないSIerの20代はとても多いと思います。
選考で何が効いたか
職務経歴書で意識したのは、担当した工程やモジュールを羅列するのではなく、「顧客の人事業務のどの課題を、どう解決したか」に書き直すことでした。同じ経験でも、SIer語(工程・成果物)からコンサル語(課題・打ち手・効果)に翻訳するだけで、書類の通りが変わります。
面接ではケース面接ほどの地頭試験はなく、専門領域のディスカッションが中心でした。「SAP HCMからSuccessFactorsへの移行で顧客が一番つまずくのはどこか」のような、実務をやっていれば答えられる質問です。専門職採用のコンサル転職は、地頭よりも領域知識で戦えます。
入ってから、きつかったこと
正直に書きます。まず、アウトプットの水準と速度が別世界でした。SIerでは1週間かけていた資料が、コンサルでは「明日の朝まで」になります。最初の半年は毎日必死でした。
次に、「作る人」から「決めさせる人」への役割転換。手を動かす仕事は評価されず、顧客の意思決定を前に進めることが仕事になります。この転換ができずに辞めていく元SIerの人も見ました。
それでも、ここで身につけた資料作成・論点整理・顧客折衝のスキルは、その後のキャリア全部で使っています。20代のうちに1〜2年コンサルで揉まれる価値は、年収差以上にあります。
この転職をおすすめする人・しない人
おすすめする人: SIerで特定領域(人事、会計、SCMなど)の業務知識が溜まってきた20代〜30代前半。技術だけでなく顧客との会話が苦にならない人。激務期間を投資と割り切れる人。
おすすめしない人: 技術を深めること自体が好きな人(コンサルでは手を動かす時間が減ります)。ワークライフバランスを最優先したいタイミングの人。
よくある質問
学歴やファームの格は問われますか?
専門職採用では学歴フィルターは戦略コンサルほど強くありません。領域の専門性が明確なら、書類は通ります。
英語ができないと無理ですか?
僕は英語が得意ではないまま転職しました。案件によります。グローバル案件を避ければ当面は戦えますが、昇進の上限には影響します。
年収はどのくらい上がりますか?
僕は450万→700万でした。SIerからの転職では+100〜250万円のレンジをよく見ます。詳しい年収推移は5回の転職の年収推移を全公開した記事に書きました。
まとめ: SIerの経験は「翻訳」すれば売れる
SIerでくすぶっている感覚があるなら、それはスキルの問題ではなく、値札と見せ方の問題かもしれません。職務経歴書をコンサル語に翻訳し、専門領域を明確にすれば、コンサルへの道は思っているより近いです。
エージェント選びや職務経歴書の具体的な書き方は、今後の記事で順次公開します。

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