結論から。コンサルから事業会社への転職は「都落ち」ではありません。僕の場合、額面+100万円に社宅がつき、実質年収はむしろ上がりました。そして何より、この転職がなければ今の市場価値はありません。
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とはいえ、コンサルと事業会社は働き方も評価のされ方も別物で、ギャップに苦しんだのも事実です。外資コンサルでSuccessFactors導入コンサルをやっていた僕が、大手事業会社の人事に転職して分かったことを正直に書きます。
なぜコンサルを1年半で出たのか
コンサルの仕事に不満があったわけではありません。ただ、導入プロジェクトが終わるたびに顧客のもとを去る働き方に、「導入した後、この仕組みは本当に現場で使われているのか?」という疑問が消えませんでした。
ちょうどSuccessFactorsを導入しようとしている大手エネルギー会社の人事ポジションの話があり、「使う側・運用する側」を経験できる千載一遇の機会だと判断しました。提案する側から、提案される側へ。これは想像以上に大きな経験でした。
年収の現実: 「下がる」とは限らない
「コンサルから事業会社は年収が下がる」が通説です。半分は本当で、若手コンサルの給与カーブのまま事業会社の同年代と比べれば、伸び率は確実に落ちます。
ただ、僕のケースでは額面700万→800万に加えて社宅(年200万円相当)がつき、実質約1,000万円。大手日系企業の福利厚生は求人票に出てこない年収です。ここを計算に入れずに「下がるからやめよう」と判断するのはもったいない。詳しい数字は年収推移の全公開記事にまとめています。
入って分かったギャップ3つ
1. スピードの通貨が違う
コンサルの通貨は「速さと鋭さ」でしたが、事業会社の通貨は「合意と持続」です。どんなに正しい施策も、労組・現場・経営の合意を経なければ動きません。最初は「なぜこんなに時間がかかるのか」と苛立ちましたが、これは遅いのではなく、10年使う仕組みを作るための必要コストでした。
2. 「きれいな資料」の価値が暴落する
コンサル時代に鍛えた資料作成スキルは、事業会社では過剰品質です。それより「現場のあの人を口説けるか」「役員会で3分で説明できるか」が問われます。スキルの組み替えが必要でした。
3. それでもコンサル出身は強い
一方で、論点整理・プロジェクト推進・ベンダーコントロールの力は、事業会社では希少能力です。特に「ベンダー(コンサル)が何を考えて提案してくるか」が分かるのは、発注側に回ると強力な武器になります。僕が人事制度・システム統合のPMOを任されたのは、この「両側を知っている」ことが理由でした。
コンサル→事業会社転職で後悔しないための3条件
1つ目、「何の経験を買いに行くのか」を言語化すること。僕の場合は「導入したシステムを使う側の経験」でした。これがないと、スピード感の違いに耐えられません。
2つ目、福利厚生込みの実質年収で比較すること。額面の増減だけで判断すると誤ります。
3つ目、戻れる専門性を持って出ること。事業会社が合わなければコンサルに戻る選択肢は残ります。実際、出戻りは今や珍しくありません。専門性という保険があれば、思い切って渡れます。
よくある質問
コンサルから事業会社に行くと市場価値は下がりませんか?
「コンサル経験のみ」より「コンサル+事業会社の実務」のほうが希少です。僕はこの組み合わせで、その後の転職の選択肢がむしろ広がりました。
どのタイミングで移るのがいいですか?
僕は在籍1年半でしたが、最低1つのプロジェクトを最後までやり切ってから、をおすすめします。「途中で逃げた」経歴は面接で説明が苦しくなります。
事業会社からコンサルに出戻りはできますか?
専門領域が明確なら可能です。事業会社の実務経験を積んだ出戻り人材は、ファームからむしろ歓迎されます。
次の一歩
外資系やハイクラス帯も視野に入れるなら、外資系特化エージェントに一度キャリア相談してみると市場感がつかめます。人事×ITのようなニッチな経歴でも、外資系では思わぬ高値がつくことがあります。
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事業会社への転職では年収が下がる場面もありますが、等級の設定次第で結果は変わります。詳しくは年収交渉はエージェント経由が有利な理由をご覧ください。
まとめ: 越境した人にしか見えない景色がある
コンサル→事業会社は、年収カーブの問題ではなく「どの経験を積むか」の問題です。両側を知る人材は本当に少ない。だからこそ、その後のキャリアで高く売れます。僕の5回の転職の中でも、この転職が一番「効いた」と思っています。
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