36歳・37歳の転職はどう変わる?「35歳限界説」は嘘だった【2回転職した実体験】

転職体験談

結論から言うと、「35歳転職限界説」は、少なくとも今の転職市場では嘘です。僕は36歳と37歳で立て続けに転職しましたが、年齢を理由に門前払いされた感覚は一度もなく、むしろキャリアの選択肢は広がりました。ただし、35歳以降の転職は「誰でもできる」わけではなく、通用する人とそうでない人がはっきり分かれるのも事実です。この記事では、40代目前で2回転職した実体験から、気をつけたことと採用側の本音を書きます。

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「35歳限界説」はどこから来たのか

そもそも35歳限界説は、終身雇用と年功序列が前提だった時代の産物です。新卒で入った会社で経験を積み、社内で昇進していくモデルでは、中途採用は「若いポテンシャル人材」を安く採るための手段でした。35歳を過ぎた人を採ると、社内の年次バランスが崩れる。教育コストの回収期間も短い。だから敬遠される。そういうロジックでした。

しかし今は前提そのものが変わっています。少子高齢化で若手の絶対数が減り、ポテンシャル採用だけでは人が埋まらない。ジョブ型雇用やスキルベースの人材管理が広がり、「何歳か」より「何ができるか」で採用が決まる場面が明らかに増えました。僕自身、人事として採用側に座っていた時期がありますが、候補者の生年月日を理由に見送った記憶はありません。見ていたのは常に、経験の中身とうちで再現できるかどうかです。

36歳と37歳、2回の転職で実際に起きたこと

僕の経歴を簡単に書くと、新卒でSIerに入り、外資コンサル、大手エネルギー会社の人事を経て、経営統合による転籍も経験しました。そして2025年、36歳で大手飲料グループのDX部門に転職し、50億円規模の人事システム刷新プロジェクトのPMを担当。2026年には37歳で大手電機メーカーの人事部門に移り、スキルベース人材管理の推進を担当しています。詳しい年収の変遷は30代で5回転職した僕の年収推移を全公開にまとめています。

この2回の転職で、年齢がハンデになった実感はほぼありませんでした。むしろ面談で聞かれるのは「そのプロジェクトであなたは何をしたのか」「同じことをうちでやれるか」という経験の具体性ばかり。36歳の転職では年収1,050万円、37歳の転職では1,100万円+社宅と、待遇も維持どころか向上しています。

誤解のないように書くと、これは僕が特別だからではありません。人事×IT×プロジェクトマネジメントという軸を10年以上かけて積み上げてきた結果であって、逆に言えば、軸さえあれば35歳以降の転職市場はむしろ追い風だということです。ミドル層の即戦力を求める求人は、体感としても年々増えています。

36歳の転職は何が変わるのか

「35歳の壁」という言葉のせいで、36歳になった瞬間に何かが変わると思われがちですが、実際に変わるのは求人の中身であって、量ではありません。

僕が36歳で転職したとき、応募できる求人が減ったという実感はありませんでした。ただし求められる役割が明確に変わりました。

20代後半〜30代前半 36歳前後
採用の理由 ポテンシャルと伸びしろ 今すぐ埋めたい穴がある
見られるもの 基礎的な能力、素直さ 再現性のある実績、判断の経験
面接で聞かれること 何をやってきたか 何を判断してきたか
入社後の期待 育てながら戦力化 3か月で立ち上がること

採用する側にいたとき、35歳以上の候補者について現場から必ず聞かれたのは「この人はすぐ動けますか」でした。年齢そのものではなく、立ち上がりの速さが論点になります。

36歳で応募する場合に効く伝え方

職務経歴書と面接で意識すべきは、「即戦力である根拠」を具体的に示すことです。

効かないのは、担当した業務を並べることです。「〇〇システムの導入を担当」では、何ができる人か分かりません。

効くのは、判断の経験を語ることです。「移行データの範囲を決める際に、履歴を3年分に絞る判断をした。理由は〜」という形なら、同じ状況に置かれたときに何をする人か伝わります。

この違いは人事から見た職務経歴書の書き方で詳しく書いています。

36歳・37歳で厳しくなるのは「未経験分野」だけ

同じ職種・同じ業界での転職なら、36歳は何の問題もありません。実際に僕自身、36歳と37歳で2回動いています。

厳しくなるのはまったくの未経験分野に飛び込む場合です。育成前提の採用枠は年齢が下の層に向けられているためで、これは事実として認めたほうがいい。

ただし「隣接領域への移動」は別です。人事からIT、ITから人事のような越境は、前職の知識が武器になるので36歳でも通ります。むしろ両方分かる人は市場に少ないため、有利に働きます。詳しくは人事からITへ、ITから人事へをご覧ください。

36歳から動くなら時期を逆算する

年齢が上がるほど、選考期間は長くなる傾向があります。ポジションが限定されるぶん、社内調整に時間がかかるためです。

36歳以降は、逆算の余裕を1か月ほど多く見ておいてください。4月入社を狙うなら10〜11月には動き始めるイメージです。転職活動全体のスケジュールは転職活動はいつ始めるべき?にまとめました。

35歳を過ぎた転職で、採用側が見ているもの

採用側にいた経験も踏まえて言うと、35歳以降の候補者に対して企業が見ているポイントは主に4つです。

1つ目は、再現性のある実績。「大きなプロジェクトにいました」ではなく、どんな役割で、どの規模を、自分の判断で何を動かしたのか。ここが曖昧だと、経験が長いだけの人に見えます。書類段階での見られ方は人事(採用側)から見た、評価が上がる職務経歴書の書き方に詳しく書きました。

2つ目は、専門性の軸。若手なら「これから何にでもなれる」が武器ですが、ミドルは「何の専門家か」を一言で言えないと厳しい。僕の場合は「人事とITの両方を、実務とPMの両面からやってきた人」という軸です。

3つ目は、変化への適応力。年齢そのものより、「新しい環境ややり方に馴染めるか」を企業は気にします。過去のやり方に固執しそうな雰囲気は、面接で意外なほど伝わります。

4つ目は、ポジションの明確さ。マネジメントとして採るのか、専門家として採るのか。候補者自身がどちらの椅子を望んでいるのか曖昧だと、受け入れ側も配置を描けず見送りになりがちです。

40代目前の転職で僕が気をつけた5つのこと

①キャリアの軸を言語化する。職務経歴を時系列で語るのではなく、「一貫して何をやってきた人間か」を先に伝える。僕は「人事領域の変革を、制度とシステムの両面から動かしてきた」と定義してから、各社の経験をその証拠として並べました。

②「何をしたか」ではなく「何ができるか」で語る。過去の実績は、それ自体が価値なのではなく、相手の会社で再現できて初めて価値になります。面接では常に「御社のこの課題に対して、この経験がこう使える」という翻訳を意識しました。

③年収の額面だけでなく、報酬パッケージ全体で判断する。これは実体験からの教訓です。僕は社宅制度のある会社とない会社の両方を経験しましたが、社宅の有無だけで実質年収は年間200万円レベルで変わります。額面が上がっても手取りベースの生活水準が下がることは普通にあるので、福利厚生まで含めて比較すべきです。

④家族の時間軸と重ねる。40代目前の転職は、自分一人の話ではありません。僕には小さい子供が2人いて、教育費が本格化する時期から逆算して「今リスクを取れるのはいつまでか」を考えました。転職のベストタイミングは市場だけでなく、家庭のカレンダーで決まる部分があります。

⑤エージェントを使って市場価値を客観視する。自分の値段は自分では分かりません。複数のエージェントと話すと、どの経験が刺さり、どの経験が流されるのかが見えてきます。付き合い方のコツは転職エージェントとの正しい付き合い方に書いた通りです。

逆に、35歳以降で厳しくなるケース

フェアに書くと、35歳限界説が「その人にとっては本当」になるケースもあります。典型的なのは、実績が会社の看板でしか語れない人。「大手にいました」は経歴であって実績ではありません。次に、専門性の軸がないまま異動を繰り返してきた人。社内では貴重なゼネラリストでも、転職市場では値付けが難しい存在になります。そして、変化を避けてきた人。新しいツールや進め方への拒否感は、年齢以上に採用側を不安にさせます。

つまり限界を作るのは年齢ではなく、経験の積み方です。35歳を過ぎてから慌てて軸を作るのは大変ですが、不可能ではありません。今の職場で「社外に持ち出せる実績」を1つ作ることから始めるのが現実的です。

「35歳転職限界説」がなぜ今も残っているのか

そもそも「35歳転職限界説」という言い方が広まった背景には、求人票に年齢制限を書けた時代の名残があります。2007年の雇用対策法改正で、募集・採用における年齢制限は原則として禁止されました。いまの求人票に「35歳まで」と書かれていないのは、単に書けないからです。

ただし、表記が消えたことと、選考で年齢が見られなくなったことは別の話です。人事の実務では、年齢は次の2つを通じて間接的に効いてきます。年齢そのもので落ちているケースは、実はほとんどありません。

1. 等級と給与レンジの制約

中途採用では、書類と面接の評価から等級を仮に決め、その等級に紐づく給与レンジの中で提示額を組み立てます。経験年数が長いほど高い等級が想定されるため、35歳を過ぎると「そのポジションに割り当てられたレンジに収まらない」という理由で見送りになることがあります。

これは年齢で弾いているのではなく、年齢から逆算された想定年収がポジションの枠を超えているという判断です。だから同じ35歳でも、応募するポジションの等級が一段上なら通ります。求人を見るときに給与レンジの上限を確認すべきなのは、このためです。

2. 組織の年齢構成

もうひとつは、配属先のチーム構成です。直属の上司より年上になる場合、受け入れ側がどう判断するかは部署によって差があります。これは求人票にも面接の場にも出てきませんが、実際には検討されています。

ここで効くのが、前職での立ち位置の説明です。「マネジメント経験がある」と伝えるだけでは、上司側の警戒はむしろ強まります。プレイヤーとして手を動かす前提があるのか、それとも管理側で入るのか。どちらを望んでいるかを明示すると、受け入れ側は判断しやすくなります。

逆に言えば、この2つに手当てができていれば、35歳や36歳という数字自体は障害になりません。人手不足が続いている領域ではなおさらで、年齢を理由に候補者を絞る余裕がある会社のほうが少なくなっています。

次の一歩:ミドル層の転職で使えるサービス

40代目前の転職では、自分の市場価値を客観的に把握することが最初の一歩です。僕自身、複数のエージェントと並行して話すことで「どの経験が評価されるのか」の解像度が一気に上がりました。

まず登録するなら、求人数が業界最大級のリクルートエージェント。ミドル層向けの求人も幅広く、「今の自分にどんな選択肢があるのか」の全体像を掴むのに向いています。

専門性を軸に転職したい人には、LHH転職エージェントも選択肢になります。コンサルタントが企業側と求職者側を一気通貫で担当するスタイルなので、35歳以降の「経験の中身」を企業に伝えやすいのが特徴です。

36歳以降は求人の質で選ぶ

この年代は求人の量より、任される役割の中身で選ぶ段階です。IT・Web領域ならギークリーが、ポジションの体制や裁量の範囲まで踏み込んで教えてくれます。年齢だけで判断されない求人を探すなら、業界に詳しい担当者を持つほうが早い。

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まとめ:限界を決めるのは年齢ではなく、経験の積み方

35歳限界説は、終身雇用時代の遺物です。僕は36歳と37歳で転職し、待遇もキャリアの手応えも上がりました。ただしそれは、専門性の軸と再現性のある実績があってこそ。年齢を言い訳にするのも、年齢を理由に焦るのも、どちらも本質ではありません。「自分は何の専門家で、次の会社で何を再現できるのか」。この問いに答えられるように経験を積んでいけば、40代目前の転職は怖くないというのが、当事者としての結論です。

よくある質問

Q. 35歳を過ぎると本当に求人は減りますか?

ポテンシャル採用の求人は減りますが、即戦力・専門職の求人はむしろ増えます。ミドル層の採用は今や一般的で、体感としても35歳以降を対象にしたポジションは年々増えています。減るのは「未経験歓迎」の枠であって、経験を評価する枠ではありません。

Q. 未経験の職種への転職は35歳以降でも可能ですか?

完全な未経験は難易度が高いですが、「隣接領域への越境」なら十分可能です。僕自身、人事とITを行き来してきましたが、これは片方の経験がもう片方で武器になる越境でした。全くのゼロから飛び込むのではなく、今の専門性が活きる角度を探すのが現実的です。

Q. 40代目前の転職で年収は下がりませんか?

軸の合った転職なら維持・向上は十分狙えます。僕は36歳・37歳の転職でいずれも額面を上げました。ただし社宅などの福利厚生まで含めた実質ベースでは条件が変わることがあるので、額面だけでなく報酬パッケージ全体で比較することをおすすめします。

年齢による制約が比較的ゆるいのは、人材の需給が逼迫している領域です。IT・Web業界はその代表で、IT・WEB・ソーシャルゲーム業界への転職ならGEEKLYのような業界特化型では、30代後半以降の求人も一定数扱われています。年齢で足切りされる感覚があるなら、業界そのものを見直すほうが早い場合もあります。

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