※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています
社内公募で異動が決まり、実際に動いてみたら想像と違った。この状態でまず知りたいのは「戻れるのか」だと思います。
ところが調べると出てくるのは、失敗事例と心構えばかりです。制度としてどの経路が残っているのかを書いたものが、ほとんど見当たりません。ここでは発令が出たあとに実際に動かせる場所を、社内の仕組みの側から4つに分けて整理します。
発令が出た時点で、確定するものと、していないもの
「異動は決定事項です」と説明されます。ただし、その時点で本当に確定しているのは次の3つです。
- 所属(どの組織にぶら下がるか)
- 指揮命令の系統(誰の指示で動くか)
- 人件費をどの部門が持つか
逆に、確定していないものもあります。担当する業務の細部、受入先が本人に何を期待しているか、そして評価をどう付けるかです。この3つは発令の時点では詰まっていないことが多く、着任してから決まっていきます。
「決定した」のは所属であって、そこから先の運用ではありません。合わないと感じている中身が後者にあるなら、異動そのものを巻き戻さなくても動かせる余地が残っています。まずどちらの話なのかを分けてください。
「戻る」には3つの意味があり、難しさがまったく違う
ひとくちに戻ると言っても、中身は3つに分かれます。
| 戻り方 | 難しさ | 動かす必要がある相手 |
|---|---|---|
| 元の部署に戻る | 最も高い | 受入先と元部署の両方 |
| 元の職種に戻る(部署は問わない) | 中 | 人事の異動計画、次の公募 |
| 会社の外に出る | 本人の判断で完結する | なし |
詰まる人の多くは、1番目だけを考えています。実際にいちばん通りやすいのは2番目です。元の部署に戻すのは受入先にとって「受け入れの失敗」を認めることになりますが、別の部署で同じ職種に就くのは、人事から見れば通常の配置の一環でしかありません。
元の部署に戻る経路が、制度として残っている会社もある
会社によっては、公募での異動に次のような仕組みを付けています。自社の公募要項と人事規程を確認してください。
- トライアル期間。3か月または6か月を試行期間とし、その間は元の所属に戻せる扱いにしている会社があります
- 受入先の判断による再異動。本人ではなく受入先が「合わない」と判断した場合の経路です。会社都合の異動として処理されます
- 再応募の制限。「異動から1年間は公募に応募できない」といった条件が付いていることがあります。これは戻る側ではなく、次に動く側を縛ります
ただし共通しているのは、どれも本人の申し出だけでは動かないという点です。制度に書かれていても、実際に発動するのは受入先か人事の判断です。
エンワールド・ジャパンに登録して、社外の条件と並べて比較する
制度に書かれていなくても動く場所がある
規程を読んでも経路が見つからない場合でも、実務では動く場所が2つあります。
ひとつは期の切れ目です。4月や10月の通常の異動計画に乗せるかたちなら、公募制度の枠組みを使わずに配置を変えられます。特別扱いにしないぶん、話が通りやすくなります。
もうひとつは元部署の後任の状況です。ここが決定的になります。
後任がまだ埋まっていなければ、元部署にも戻ってほしい動機があります。逆に後任が着任済み、あるいは中途採用で決まっていると、戻る席が物理的にありません。この場合、どれだけ交渉しても元の部署という選択肢は消えています。
だから確認する順番は、制度より先に後任の状況です。ここが埋まっているかどうかで、2番目と3番目の戻り方しか残らないのかが決まります。
人事システムの側に、何が残るのか
異動の履歴は人事システムに残ります。多くの会社では、通常の異動と公募による異動が別のコードで区別されています。短い期間で元に戻ると、履歴の上では往復した形になります。
ただし、ここで残るのは事実であって、理由ではありません。「なぜ戻ったのか」を入力する欄がある会社は少なく、あっても空欄のまま運用されていることがほとんどです。後から履歴だけを見た人は、往復した事実しか読み取れません。
スキルベースの人材管理を入れている会社では、状況が少し変わります。異動の前後で本人のスキルや志向をデータとして持つようになるため、「合わなかった」を職務との不一致として記録できる形が出てきています。ただし運用が追いついている会社はまだ多くありません。
実務的には、履歴に理由が残らない前提で動いたほうが安全です。説明が必要になったときに自分で話せるよう、経緯を手元に残しておいてください。
元の職種に戻るなら、どこに話を通すか
3つの戻り方のうち通りやすいのは2番目だと書きました。ただし通し方を間違えると、いちばん通りやすいはずの経路が塞がります。
受入先の上長を飛ばさないでください。元部署の上長や人事に直接相談すると、受入先には「本人が裏で動いている」という形で伝わります。同じ会社の中の話なので、たいてい伝わります。そうなると受入先は本人の適性ではなく態度の問題として扱うようになり、会社都合の再異動という経路が使えなくなります。
順番としては、受入先の上長に業務の不一致を具体的に伝えるところから始めます。ここで配置の調整が付けばそれで終わりますし、付かなければ「受入先も合わないと考えている」という状態になります。この状態になって初めて、人事の側で動かせるようになります。
時期については、公募制度を使うなら次の募集を待つことになります。使わないなら期の切れ目の異動計画に乗せる形です。どちらも自分では前倒しできないので、待つ期間が発生する前提で考えてください。
動く前に確認しておく3か所
順番があります。
1つめ。元部署の後任が埋まっているか。前の節のとおり、ここで選択肢の数が決まります。人事に聞く前に、元の同僚に確認したほうが早いことが多いです。
2つめ。公募要項の再応募制限。「異動から◯年」という条件があると、次の公募に出られる時期が決まります。戻る話ではなく、次に動く話の期限です。
3つめ。受入先の上長が、いまどう見ているか。最初の評価が付く前であれば、業務の割り当てを変える余地があります。評価が確定してからでは、話が「配置」ではなく「成績」になってしまい、動かせる幅が狭くなります。
よくある質問
Q. 発令が出たあとでも、異動を断ることはできますか?
発令後は原則として断れません。発令前であれば辞退できる会社が多いのですが、発令は組織上の決定として処理されるため、そのあとは「断る」ではなく「次の配置をどうするか」という話になります。
Q. 元の部署に戻りたいと上長に伝えると、評価に響きますか?
伝え方によります。「合わないので戻りたい」だけだと適性の問題として扱われやすくなります。担当している業務のどこが想定と違ったのかを具体的に示せると、配置の調整として扱われる余地が残ります。
Q. どのくらいの期間で判断すべきですか?
トライアル期間を設けている会社なら、その期限が実質的な区切りです。制度がない場合でも、最初の評価が確定する前かどうかが分かれ目になります。評価が付いたあとは、配置の話が成績の話に変わります。
Q. 社内公募で異動した履歴は、その後の選考で不利になりますか?
社内では、往復した事実そのものより、理由が記録されていないことのほうが影響します。履歴には理由の欄がないか、あっても空欄のことが多いためです。社外の選考で、社内公募での異動歴そのものが問題にされることは多くありません。聞かれるとすれば理由のほうです。
Q. 戻れないと分かった場合、次に何を見ればいいですか?
元の職種に戻る経路(別部署)と、社外の選択肢の2つです。この2つは同時に進められます。社内の異動は時期が決まっていて自分では動かせないため、待っている期間に社外の条件を並べて比べておくと、判断の材料が増えます。
社外の条件も並べて考える段階になったら、求人がいつどこに出ているかも効いてきます。採用側は出し先を先に決めていて、埋まらなければ段階的に広げるため、登録した時期によって届く求人が変わります。その仕組みは人事の求人がエージェントによって出方が違う理由にまとめました。
まとめ
発令の時点で確定しているのは所属であって、業務の中身や評価の付け方はまだ決まっていません。合わないと感じている中身が後者にあるなら、異動を巻き戻さなくても動かせます。
戻る場合は、元の部署・元の職種・社外の3つに分けて考えてください。通りやすいのは2番目です。そして制度を読むより先に、元部署の後任が埋まっているかを確認してください。ここで残る選択肢の数が決まります。


コメント